21. 悔い

世界が変わってしまった
所詮、夢だから…
そうも思ったが
焦った
ああ、もう彼女に会えないのか
僕は彼女の名前も家も知らない
ただ、何処ぞ知れぬところの優しい女の子
それだけ
せめて
せめて、好きとか
否、さよならだけでいい
云っておきたかった
僕は酔っ払いに埋め尽くされた深夜の列車で
彼女をさがした
本当はいるはずがない
違う世界なのだから
倦怠感に染まった空気のをかき分けて
さがして、さがして、さがし回った…
そうしていたら
彼女がいた


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(C)1999 篁 龍骨