about "NAICS" | ||
NAICS (NonAI Communication System) とは Tongさん が Flash と Perl を駆使して制作された、キャラクタとチャットを行うシステムです。
コンピュータと人間が会話することは、プログラミングをかじった者なら一度は夢見るものではないでしょうか。
自分が組んだプログラムを起動すると、コンピュータが機械的な声で親し気に語りかけてくる。
無機質なものに命を吹き込むのは神に挑戦する行為のようでもあります。
しかし人間との対話を可能にした人工知能「AI (Artificial Intelligence) 」は膨大なプログラミングと最新鋭の機器を必要とします。
世界最高レベルの研究者がスパコンを使って開発しているものに、我々が手を出せるはずがありません。
でもそんなに精度がなくてももっと簡単な手法で「人間らしさ」を出せないものだろうか? アプローチを変えて「それっぽく動作する」ことを目的とした一種のジョーク・プログラム、それが「人工無脳」です。
人工無脳は「人工無能」とも言われる通り、何かの役に立つわけではありません。
予期せぬ質問にはとんちんかんな答えを返し「機械だからしょうがない」と笑って済ませられるのが人工知能との決定的な違いです。
ですが求める結果はやはり「人間らしさ」であることには変わりないわけです。
SF世代の我々が夢見るのは「2001年宇宙の旅」の HAL 2000 であり、アシモフのロボット刑事なのです。
プログラムの知識についてはヘタレな私ですが、ヒューマン・インターフェイスの部分でなんとか協力できるのではないかと、Tongさんと共同作業で進めています。
現在バージョン2の制作中ですが、互いに時間がなくてまだまだ完成とはいえない状況です。
とはいえプログラムは多くの人に使ってもらいながら修正を繰り返し、成熟させるもの。
ここに公開しながら反応を見て、少しずつ手を入れて行こうと思います。
先程「ジョーク・プログラム」と書きましたが、作っている本人たちは大まじめ。
30過ぎて「こーしたら萌えー」などと言いつつ、正規表現の泥臭さと日本語の特異性に四苦八苦しています。
なお私の長年の夢であった「機械との対話」をちょびっとだけ叶えてくれた Tongさんに感謝するとともに、少しでもみなさんが NAICS を楽しんで/興味を持ってくれることを願います。
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about "Nozomi" | ||
こちらに公開しているキャラクタの「ろぼ1号」については Tongさん、「るみ」については
Teruさん がグラフィックを担当されています。
そして私が作り出したキャラクタが「のぞみ」です。
命名は Tongさんにしていただきました。
のぞみは Tongさんの希望もあって、画像は Flash のベクター画像ではなく、Photoshop のラスタ(ビットマップ)ベースで制作しています。
ラスタベースの Flash アニメーションは私自身も初めての試みでしたので、なかなか大変でした。
個々の画像を Flash 上に取り込む際に座標を統一する、ラスタ画像は拡大縮小時にジャギが出るため、拡大は行わずにベクター画像を組み合わせたり、縮小の際もジャギを抑えるため50%、33.3%となるように揃える、個々のパーツを png で透明化する、共有できるパーツを使ってファイルの肥大化/スパゲッティ化を防ぐなど、Photoshop
と Flash を往ったり来たりしながら試行錯誤を繰り返し、Photoshop のレイヤー数48、Flash のライブラリ数85と自己最高を記録しました。
その中でも一番気を遣ったのは表情アニメーションでした。
最も人間らしい動きはやはり顔の表情であり、何よりもコミュニケーションとして重要な働きをしていると考えたからです。
Flash をベースとするため、従来の人工無脳では作り得ない表情豊かな「動き」を与える事が可能なため、コンマ何秒の動きを自分が納得いくまで修正を繰り替えしました。
また NAICS は Flash アプリケーションの限界フレーム数を超えない限り、無数に表情パターンも作れる仕様となっているため、表情パターンも22種類作成してあります。
これでも「人間らしさ」としてはまだまだだと思いますが…
また画像以外でも「のぞみ」というアイデンティティを与える作業がありました。
キャラクタは文字通り「個性」ですので、性格付けをしなくてはなりません。
また私自身、コミュニケーションには相手の個性のさぐり合い/再確認する愉しみがあると考えているからです。
実はのぞみについては Tongさんと一緒に性格や血液型、家庭環境にやトラウマに到るまで考えてあるのですが、ここではあえて公表しないことにします(笑)。
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NAICS は現在のところ基本的に「こういう質問にはこう返す」ということしかできません。
日本語を分析して考えているわけではありません。
これが現在の所 NAICS の限界であり、人工無脳の限界とも言えます。
しかし、この限界の中でも最大限を発揮すればかなりの「人間らしさ」は可能になるはず、と考えています。
実際、小学生ぐらいまでは日本語を文法として理解している訳ではなく、見聞きした膨大な日本語の語彙を単に組み合わせているに過ぎないからです。
我々が求めているのは楽しく会話できる小学生ぐらいの女の子ですので、これで十分と考えています。
幸いにして NAICS の核とも言える「辞書」には容量制限がないそうです。
辞書に受け応えを登録すれば登録するほど、のぞみは「賢く」なります。
追々こちらについてはバージョンアップしていますので、何かご意見やバグ報告などがあれば
web拍手
などからお気軽にお報せいただくと幸いです。
長文となりましたが、それではのぞみとの会話をお楽しみください。
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