真説? むかしばなし……

縞璃栖   

 これからする話は、私が聞いた「昔話」の別バージョンです。

 「うらしまたろう」

 亀を助けて龍宮城に行き、玉手箱を土産に帰ってくると、そこは七○○年後の世界だった。 そして浦島太郎は「絶対に開けるな」と言われていた玉手箱を開けてしまい老人になってしまった…。
 実はこれ(老人になったの)は乙姫との約束を破った罰である。しかも、玉手箱から出た煙は特殊なもので、 不死の効能があった。
 そのため、浦島太郎はいまでも日本のどこかでひっそりと生きているそうです。

 「ももたろう」

 桃から生まれた桃太郎は犬・猿・雉をお供につけ、 鬼が島に渡って鬼退治をして鬼が奪っていった宝物を取り返してきた…。
 実はこれには裏話があって、本当は鬼退治などせず(多勢に無勢では勝てるわけがない)、 鬼たちとの談合の結果、桃太郎は鬼退治をして宝物を取り返したということにして、 鬼たちの持っている宝物の一部を持ち帰った。
 また、鬼たちは住処を別の場所に移動して、その後も暴れまわっていた。

 「かぐやひめ」

 竹から生まれたかぐや姫は実は月の都の住人で、何千人の警備もものともせずに、 月からの迎えにより月へ帰っていった…。
 実はかぐや姫は月へ帰ってから地球へのホームシックになり、ちょこちょこと地球へ帰り、 求婚してきた男たちに何度も無理難題をふっかけては楽しんでいたという。

 「はなさかじいさん」

 飼い犬の示すところを掘ると金銀財宝が出てきた。それをいじわるじいさんが見ていて、 むりやり犬を借りて示すところを掘るがゴミしか出てこない。怒ったいじわるじいさんは犬を殺してしまう。 その灰を枯れ木に蒔くと綺麗な花が咲く…。
 実はこのあと、いじわるじいさんはいいじいさんを逆恨みして殺してしまい、 その財宝を奪い楽な暮らしをし続けたという。

 「かちかちやま」

 いたずらたぬきがうさぎとの勝負(舟の競争や薪運びなど)に負けてヒドイ目にあう…。
 実はこの話、前半部分が違っていた。いたずらものはうさぎだったのだ。 うさぎは自分のしたいたずらを全部たぬきのせいにしていたのだ。 たぬきはうさぎの罠にはまってしまい、最後までヒドイ目にあわされたのだ。
 

 読んでわかるように、これらはすべてフィクションです。 この他にもいろいろと聞いてはいるが、どれもここに紹介したように胡散臭い眉唾モノなので省略したい。

fin    


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